どうなんだそりゃ
水木しげるさんの書いた本は、読んだのはこれが初めて。
他の本を読めば、そういう感想は得ないのかもしれないけれども、正直、水木しげるさんの評価は下がった。
というのも、南国にて、当然のように現地の人たちの歓迎をうけ、必要以上にもてなされて、それを当然のように受けている点である。何と言う無神経か。想像しただけで、個人的な感情としては許しがたい。友人としてよりも、客として訪れ、我が儘し放題にお土産を要求、全部持って帰った、○○を何十個送ってくれと頼んだ、徹夜で作ってもらった、って、なんてことをするんだ。ひどい。
この本だけを読む限り、極めて利己的、優遇されて当然という態度、そういうものしか感じられない。中古の車と葬式を出したこととで恩返しはしているのかもしれないけれども、個人的な価値判断、というか、美学というと大袈裟だけれども、そういうものから判断させてもらうと、僕はこの人、好きじゃない
星五つは、こういう肯定的でないレビューが掲載されないことがあるから、掲載されるように、ってね
水木先生のラバウル従軍後記(文庫版)
1995年に刊行されたエッセイ集の文庫版です。「トペトロとの出会い」「トペトロとの再会」「トペトロとの別れ」の三部からなり、イラスト(カラー、白黒)と写真(白黒)に筆者が文章を添えるという形式で構成されています。 第一部は子供時代から軍隊時代、そして人気マンガ家になるまでを駆け足でふり返ります。ここには復員直後、美大時代そして神戸生活期のデッサンなど貴重な作品が収録されています。現在(2005年2月)巡回している、「大(Oh)水木しげる展」でも一部が公開されていて、現物を見ることができます。 第二部はラバウル再訪をはたして以降の、現地との交流をアルバムでふりかえります。彼らとの交流についてはなんども活字になっていますが、本書では活字だけの存在だったトペトロ、エプペ、エパロムらが写真に登場します。文章のはしばしに、トペトロの好意にあまえていた自分への後悔のことばが登場するので、読んでいて少し切なくなります。さまざまな年代の写真がとりあげられているようなのですが、日付の記載がないのが残念です。 第三部はトペトロの死を知らせる手紙を受け取ってからの顛末が記されています。筆者はスポンサーとなって、トペトロの葬儀を無事にとりおこないます。ところがその一年後、ラバウルの火山が噴火。トペトロの墓も、村も灰に埋まってしまいます。筆者のもうひとつの故郷はこのような形で突然なくなってしまいましたが、筆者と森の人との交流の思い出は本書とともにいつまでも光り輝いています。 本書は構成、内容の点からいっても『ラバウル戦記』の続編といってよいと思います。しかし今回の文庫化では、かなり手が加えられています。まず単行本ではモノクロで印刷されていたイラスト7点がカラーに変更されています。これはうれしい変更ですが、「トペトロとの再会」「トペトロとの別れ」に収録されていた写真が今回の文庫版では4枚をのぞいて全てが割愛されています(その数80枚以上!)。トペトロとの50年の交遊を記録した写真をみることができないのは、なんとも残念でなりません。
中央公論新社
水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫) ほんまにオレはアホやろか (新潮文庫) 怪感旅行 (中公文庫) のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫) 水木サンの幸福論 (角川文庫)
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