ぬしさまへ (新潮文庫)



ぬしさまへ (新潮文庫)
ぬしさまへ (新潮文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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前作に増して軽快、愉快♪

1作目では、その登場人物の楽しさ、妖たちの面白さ、人とはちょっと違ったキャラクターの持ち味、全てが新規性に富んでいてとっても楽しい話でした。
2作目の本作は、短編集で前回よりちょっと脱力、緊張する必要はちっともなくて、みんなの中に入り込んで一緒に江戸の謎解きを楽しんでる感じです。

誰かの夢の中にいるような、妖達がよそよそしくて、なんだか寂しくて、ことの次第がわかったとたんに安堵と怒りがこみ上げてくる作品がとっても愛らしくて大好きです。

このテイスト、ずっとずっと読み続けたくなりますね。
しゃばけを読んだらこちらも必ず

前作のしゃばけと違って短編集ですが、内容の濃さは1作目以上だと思います。
それぞれの話の中に、1作目では表現できなかった、妖(あやかし)達と若だんなの絆が表現されてたり、手代の仁吉の
千年!にもわたる恋話が語られたりして、非常に深く畠中ワールドに引き込まれます。
今回の若だんなは更に推理のキレが増していて、あっという間に結末までたどり着いてしまうので注意しながら読んで下さい。それにしても最後の「虹を見し事」は切ない話です・・・。
のんびり、ほのぼのとした気持ちになれる本

「しゃばけ」シリーズの第2弾。小編6部作。
長崎屋の若だんな「一太郎」が、知恵を効かせてさまざまな事件を解決する。まあ、ある意味江戸時代を舞台にした推理小説っぽく、また、妖(あやかし)が登場するファンタジー的な小説である。
軽い気持ちで読み進むことが出来、しかも、なんか、のんびり、ほのぼのとした気持ちになれる。
また、江戸時代の人々の生活も付加価値的に読み取ることができるのも良い。

精神的に逞しくなった若旦那が微笑ましい

「しゃばけ」に続くシリーズ第二作。趣向を変えて短編集にしているが、相変わらず若旦那と御馴染みの"妖"達のユーモラスな掛け合い、江戸の風情が味わえる。

タイトル作「ぬしさまへ」は"妖"ならぬ人の中に棲む鬼を題材にした皮肉な作品。安楽椅子探偵を演じる若旦那は颯爽としている。「栄吉の菓子」は栄吉が作った饅頭を食べた隠居老人が亡くなると言う発端で大いに笑わせてくれるが、解決には無理があろう。最後の栄吉の哀感が印象に残る。「空のビロード」は若旦那の兄の松之助が主人公。犬猫連続殺害事件を発端にして、人間の持つ悪意と善意、生きる希望と宿縁を巧みな構成で描いた秀作。「四布の布団」は一人の人物の人生観に翻弄される周囲の人々の悲喜劇を描いた作品だが、やや単調か。「仁吉の思い人」は若旦那の御機嫌取りに伊達男(妖)仁吉が語る失恋話。仁吉の恋した"妖"と人との千年に渡る悲恋物語だが、一番辛かったのは...。最後のオチが秀抜。「虹を見し事」は若旦那が誰かの夢の中の登場人物となる幻想的な物語だが、その中で現実の厳しさを垣間見せる手腕は見事。

短編集とあって、一作々々作風を変えて読者を楽しませる工夫が感じられる。身体は相変わらず病弱だが、精神的に逞しくなった若旦那も微笑ましい。このまま若旦那の成長物語となるのであろうか。今後も楽しみな、ファンタジー時代劇。
ファンタジー時代劇サスペンスの面白さ

江戸時代を背景とした、鬼平犯科帖シリーズといった時代物は数点読み堪能しました。また、奇譚ものも嫌いではありません。それが合体して上質なエンターテインメントとなったのが本書です。花のお江戸の大商人の病弱な若ボンボンが妖怪に助けられながら難事件を解決するというものですが、なんともほのぼのとした語り口で、正月、お屠蘇気分で堪能しました。ファンタジーサスペンスというべき新境地を開いた1冊だと思います。特に、このシリーズは若い世代には大うけするのではないでしょうか。しかしじっくり読むと、若ボンボンの「もっと大人になって、人々の話を聞き逃さないようになりたい」という真摯な若者の気持ちが物語の伏線として書かれていたり、悲しいラブストーリがちりばめられていたり、著者のサービス精神にも感服しました。



新潮社
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