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ネアンデルタール人とは誰か (朝日選書)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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人間の思惑と研究で揺れるネアンデルタール人像
題名が内容をそのまま言い表しているのだが、C.ストリンガー(古人類学)とC.ギャンブル(旧石器考古学)が最新の研究により、ネアンデルタール人を再評価したもの。ご存知の方も多いだろうが、人類の進化には(アフリカ東海岸近くを発祥とする)単一起源説と多地域進化説の2つの説がある。現在では単一起源説が圧倒的に優勢だが、本作発表当時はまだ決定打が出ていなかったのだ。ちなみに、多地域進化説とは例えばジャワ原人が現在の東アジア人の祖先であり、ネアンデルタール人が現在のヨーロッパ人の祖先であるという風に、地域ごとに人類が進化したという説である。ストリンガーは単一起源説の急先鋒として知られていた。
私などが小さい頃習った時は、ネアンデルタール人は毛むくじゃらで、棍棒を持った、猫背の野蛮人として描かれていた。それを覆したのはA.ソレッキの「シャニダール洞窟の謎」である。その本では、シャニダール洞窟の発掘の結果、ネアンデルタール人は障害児の世話をしたり、死者を花と共に埋葬する等、人間味溢れるエピソードが書かれている。これにより、ネアンデルタール人のイメージが変わり、現代人の祖先と考えてもおかしくないのではという風潮が起こっていた。
本書はその見方を真っ向から否定するものである。まず、最新の年代制定技術を用いボルド石器型式学を完膚なきまで否定し「ネアンデルタール人=中部旧石器」という時代考証を打ち砕く。また、骨の分析から、ネアンデルタール人には埋葬の習慣などなかったと断言し、花粉は撹乱による後世の混入とアッサリ片付けている。また、遺構の調査から、ネアンデルタール人が小屋を作ったという説は信憑性がないと論じる。
ネアンデルタール人には少し厳しすぎる論という気もするが、その後の研究で"単一起源説"が動かし難いものとなると、やはりネアンデルタール人は歴史の途中で消えてしまった悲劇の"原人類"ということになるのであろう。しかし、ネアンデルタール人程、多くの遺構・人骨等が残っている原人類もいないのであるから、詳細な真のネアンデルタール人像を見てみたいと思う。
朝日新聞社
ネアンデルタールと現代人―ヒトの500万年史 (文春新書) 5万年前に人類に何が起きたか?―意識のビッグバン ネアンデルタール人の正体―彼らの「悩み」に迫る (朝日選書) 日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造 (NHKブックス) われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで (朝日選書 (783))
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